2017年09月 - 中央区の税理士による起業開業を応援するブログ
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税務調査立会い

先日、開業後はじめて税務調査立会いをしました。

税務調査と言っても、マルサの調査ではありません。事前連絡のある通常の調査です。
そもそも、税務調査には2種類あって、大型の脱税が見込まれる調査を査察調査とし、事前に予定を聞いてくる調査を通常の任意調査としています。

査察調査は、大型の脱税事案について、国税局の査察部が裁判所の令状をとって行う強制的な調査と考えてもらえればわかりやすい かも知れません。つまり脱税や不正処理の疑いが強く社会的影響が大きい相手に対して国税犯則取締法という法律に乗っとり、 調査を行うことによって証拠を集められ、検察官に告訴され裁判にかけられるというような状況を意味しています。

これに対して通常の税務調査(任意調査)とは、申告納税制度という納税者の申告が正しいという前提の制度を補完するために設けられたシステムで あります。もし、税務調査が無くなったならば、どうでしょうか?多くの納税者は、真面目に記帳することもなく、正直な申告を行わないと思います。 そうすると、真面目に申告を行っている納税者とそうでない納税者の間に社会的公平性が保てないばかりか、申告納税制度という制度を維持する自体 が難しくなります。

そのため、税務調査は日本の申告納税制度を維持していくための重要な役割を担っているのです。

前置きが長くなりましたが、先日の調査のお話をしますと、調査の対象となった会社は輸出業者で定期的に消費税の還付を受けている会社でした。国内で仕入れた商品等を輸出している会社は、輸出時に売上に消費税を上乗せできないために、仕入に係る消費税を還付できるという特性があります。

当然ながら消費税の還付を受けている会社は税務調査の対象になりやすいです。しかも、前回税務調査があった年度から10年も経過していましたので、社長も私もそろそろだということは覚悟していました。

そこへ、税務署から税務調査の連絡がありましたのでそれほどの驚きはありませんでした。最近は国税通則法の規定による宣言を通知を義務付けられているため、担当調査官の方から以下の項目が事前通知されました。

・調査の日時、場所、目的、税目、期間、用意する帳簿書類
・調査の対象者である納税者の氏名及び住所
・調査を行う税務職員の氏名及び所轄税務署

調査の日時につきましては、こちらの都合にあわせてもらうことができます。今回は社長が多忙と言うこともあり2日間の予定を1日にして頂く希望も受けてもらいました。

日ごろから領収書や帳簿の整理をしっかりと行っている会社なので、事前に準備しておくことは特に無かったのですが、通常は帳簿のつじつまがあっているかどうかや、現金のチェックなど十分に準備する必要があります。

調査日当日、税務職員は10時ちょうどに来ます。簡単にあいさつを済ませた後世間話のような感じで税務職員から質問が始まります。 質問内容は担当者によって多少異なりますが大体次のような内容が質問されます。
・最近の業界の状況
・会社の組織の仕組み
・従業員の数
・売上について営業から受注、納品、入金までの具体的な流れ
・売上の金額の決め方
・入金は振込みだけか、現金回収もあるのか
・売上はどのようなタイミングで計上しているか
・売上に関する帳票はどういったものがあるか
・売上の締め日はいつか、入金までの期間は
・給料の締め日はいつか、支払い日はいつか
・社長の趣味は
・会社を起こす前は何をしていたか

今回も午前中、お昼を少し過ぎるまで話をされていました。もちろん売上や仕入の流れなどが重点的に聞かれるところではありますが、家族関係などプライベートなことも聞かれるところではあります。

顧問先の社長は、本当に正直な方で不正やずるいことをする気は無く、何を聞かれても正直に話しますとおっしゃっていましたし、私も経理を見ていて問題は無いと思いましたので、社長の話すことに対して制限することはありませんでした。しかし、税務署の職員は何かを見つけようという意識で来ていますので、壁に貼られているメモやパソコンの中身、さらには机の中まで見ようとします。ですが、どこまでも質問検査権が認めらいるわけではありませんので、パソコンを操作させたり、机の中まで見せるのは拒否することもできます。

そして、午後になると本格的に調査が始まります。ここでも重点的にチェックされるのは仕入と売上の箇所でした、期末の仕入と在庫の状況の対応関係や、売上の期間の調査など特に大きい金額について帳簿等のコピーを取るように言われます。このコピーにつきましては本来ならば税務署が行うべきところではありますが、今回は2日間の調査を1日で行って頂くこともあり、社長と私でコピーをとりました。

調査が一通りできたところで、調査結果の指摘があります。売上金額等の質問はありましたが、予想通り、特に大きな指摘はありませんでした。しかし、suicaについて履歴をとらせてもらいたいと職員の方が言ったのを聞き、社長が反論しました。「これだけ協力しているのに、まだあら捜しのようなことをされるのですか」と、私も同感でしたので「納税者の納税意識を低下させる行為ではないでしょうか」と主張したのですが、職員の方も「本来2日で調査するところを1日で行っているので、そこで見つけたものについては課税する方向で持っていくしか無い」とのことで引き下がるつもりはないようでした。

私が2日間の調査なら見逃して、1日だから課税の方向ありきというのはおかしいのではと言うと、一応は納得して頂けたようですが、後日の連絡によるとsuicaの履歴はほぼ強制的にとられてしまうようです。

調査の結果は1ヶ月くらいはかかるとのことでした。そこで、否認事項があれば指摘されるはずです。否認事項につきましては、納得できれば修正申告を行います。しかし、納得できない部分があるならば自ら修正申告をする必要はありません。修正申告をしてしまうともう反論の余地がありませんので、主張すべきところはこの時点で納得できるまで主張します。

両者の言い分が最後まで平行線ですと税務署から更正または決定という一方的な処分がされます。そうなるとこの先は裁判という事態になります。税務署もそうですが、私としてもそうなる前に話し合いで解決するのが最良と考えています。

税務調査後の話し合い、交渉が税理士の腕を試される場でありますので、気を抜かずしっかりやっていきます。

中央区の税理士
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